過冷却とは、物質が液体から固体に変わる温度(凝固点)以下の温度でも液体のままでいる状態のこと。酢酸ナトリウム三水和物の凝固点は約50℃。50℃以上に熱した後、冷却を開始すると凝固点に達し、本来であれば固体になるはずですが変化はありません。これが「過冷却」の状態です。
この実験は、フラスコに入れた酢酸ナトリウム三水和物を過冷却の状態にし、刺激(結晶核)を与えることで一気に凝固が始まりフラスコ内が結晶で一杯になってしまう状態をハイビジョン撮影したものです。この劇的な変化を「ブレイク」と呼びます。また、このきっかけを作る核となる素材を「トリガー」と呼ぶことがあり、実験では酢酸ナトリウム三水和物の結晶1粒を使用しています。
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